工程1~裁断~切り出し 採掘場より搬入された原石を、採寸可能な立方体に裁断していきます。 使用しているのは、工場の中で最も大きな直径約190センチの巨大なダイヤモンドカッターです。 石の表面に刻み込まれた筋は、原石を取り出す際に打ち込まれた楔(くさび)の痕跡です。 ご先祖様の亡骸を祀り、大地に還すために選ばれる資材は、やはり大地より召喚されたものなのです。 加工立方体に切り出された原石を、さらに墓石の各部材へと切り分けていきます。 工房内で2番目に大きな126センチの刃を使用します。 荒々しかった大自然の素材は「神聖なもの」へと、ここからその姿を変え始めます。工程2~磨き~磨き 加工の終わった各部位を磨いていく作業です。 機械の先にアタッチメントを付け、磨いていきます。 目の荒い物から細かな物へとアタッチメントを交換していきながら、徐々に光沢が出るまで仕上げていきます。 時間と根気と細やかさが必要な作業でもあります。 この道、32年。 山下石材で父になり 山下石材で祖父になった 「石材研磨職人・山木」の腕の見せどころはここにあります。工程3~文字入れ~2代目 山下博正2代目 山下博正会長。 平成23年1月6日に他界するこの前まで、墓石に文字を刻み続けた先代の社長。 他からの信頼も厚く、情にも厚い。 彼を慕い、山下石材の門戸を叩いた人間は数え切れない。 今はあの世から、ご先祖様として山下石材を見守るという重要な仕事を行っている。3代目 山下武久先代の跡を継ぎ、文字を書くのは山下武久社長。 墓石に刻まれる文字を書くのは、彼しかできない仕事であり、その文字には魂が込められている。 コンピュータの既製文字で墓碑銘が書かれることが多くなった現在でも、直筆による文字書きにこだわっており、彼の文字があってこそ始めて 「山下石材の墓石」は完成する。文字の彫り込み文字を彫り込んでいく作業。 細かな砂を高速で吹きつけることにより、石を彫っていく。 作業者は鉄の板に開けられた2つの穴から腕を差し込み、小さな窓から中を覗きながら作業を行う。『決して忘れるはずのない 大切な人の名前』 を石肌に刻み込んだその時から、その石の名前は『墓石』と呼ばれるようになる。