観音菩薩
泰平寺×平和観音菩薩像
泰平寺×平和観音菩薩像
【泰平寺 × 平和観音菩薩】
山下社長の師匠。
「俺は石工だから、こつこつ彫るだけなんだよね。」泰平寺・平和観音菩薩と永昌寺・三世観音菩薩の姉妹観音像を手がけた仏師、石井成観氏の言葉である。自身はそう言うものの、実際は誰が見ても石井氏は仏師であり、敬意を持って接すべき人物である。
「俺は石工だから、こつこつ彫るだけなんだよね。」泰平寺・平和観音菩薩と永昌寺・三世観音菩薩の姉妹観音像を手がけた仏師、石井成観氏の言葉である。自身はそう言うものの、実際は誰が見ても石井氏は仏師であり、敬意を持って接すべき人物である。
彼は、愛知県岡崎市の街中に工房を構えていたが、彼の彫る仏像が著名になるにつれ、世俗から離れ市内の山奥へと移り住むようになった。日本有数の工房で修行した彼は、いわゆる「石屋」ではなく「彫刻」の道を選び、仏像制作に取り組むようになる。その後、中国に渡り仏像制作に取り組んだあと、インドに赴き、仏教を学んだ。
彼のきめ細やかな仕事ぶりは、施主の気持ちを把握するために、仏像制作の際に驚く程綿密な打ち合わせを行うことや、仏像を設置する場所の太陽光線の具合まで確認するためにどんなに遠方の地であっても必ず現地に赴くことからも見て取れる。
絵画・彫刻・音楽・文章、皆それぞれに必ずどこかの部分にそれを作った作家の人間性が反映されるが、この観音像を見ていると石井氏の思いやりに溢れた、真っ直ぐな人柄を汲み取ることができる。「自分の力って、ちっぽけなもんだから、いくら頑張っても、自然の造形物には勝てないんだよね」というのが仏師・石井成観の口癖となっている。